大仏殿にふさわしい壮大スケールの山門
東大寺の正門となる南大門は日本最大級の木造山門です。現在の門は鎌倉時代の1203年に再建された当時の姿がそのままに残ります。屋根裏まで達する大円柱18本は高さ21メートルにも及び、門の高さは25.46メートル。創建時と同じ大きさを誇る、大仏殿にふさわしい壮大なスケールの山門です。

天井無し。目もくらむ、精巧でユニークな構造美を見上げよう
この門に入る時、ぜひ上を見上げてください。門の建築様式は「大仏様(だいぶつよう)」と呼ばれる大変ユニークなもの。天井は無く、柱と貫(ぬき)と呼ばれる水平材が連続して交わり続け、目もくらむ精巧な構造美が頭上高くに抜けていきます。軒を支える木の重なりも見事なもので、四方すべてが力強い量感にあふれます。


筋骨隆々、写実的な表現で迫力みなぎる金剛力士像
南大門では左右2体の巨大な金剛力士像が凄まじい形相で門を守護。カッと目を見開いて向き合います。筋肉のこぶは隆々と盛り上がり、血管まで浮き出したリアリスティックな表現は“東洋のミケランジェロ”と称される鎌倉時代の天才仏師、運慶と快慶を始め、多くの仏師の手によるもの。ミケランジェロのダビデ像より3世紀以上も前に造られました。

