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水辺にたたずむ、壁に掘られた仏像。「大野寺弥勒磨崖仏」

像高約12メートル!優雅で荘重な姿を拝する

奈良県宇陀市を流れる宇陀川対岸の大岸壁に見えるのは、巨大な弥勒菩薩像。 その像高は約12メートル、全体像が残るものとしては国内最大の線刻磨崖仏岩(壁に直接彫られた仏像)であり、貴重な磨崖仏として1920年に国の史跡に指定されています。

その歴史は、鎌倉時代(1185年頃 ~1333年)のはじめに後鳥羽上皇の勅願により宋の石匠一派が彫刻したといわれ、1209年には上皇も臨席し盛大に開眼供養が営まれたと伝わっています。

わずか9日で掘り上げた、800年以上前の技術力

やや下を見下ろした穏やかなお顔に、手足、衣紋の線も流麗で美しい。ただ、800年以上の歳月が流れ、線刻は一部で苔や土砂に埋もれたり、表面が剥落したりで像容がぼやけたものになっていました。

そのため1993年より国などによる大規模な保存修理が開始され、そのクリーニング作業にかかった年月はなんと6年!現代でさえ河原に足場を組むのに苦労があったというのに、「工具も十分でなかった時代、わずか9日で彫り上げたという仏師集団の技術力の高さには驚かされます。仏さまを掘り出す仏師のほか、向こう岸には全体を見ながら指示をする仏師もいて連携しながら仕事をしたのでしょうか。」と、対岸で法灯を守る大野寺の岡田明知住職は当時の苦労を思い遣ります。

壮大で美しい弥勒仏が見下ろす川辺は、長く聖地として尊ばれてきました。漁の禁止はもちろん、川向こうの道は牛馬の通行も憚られたといいます。

大野寺の大正時代の名作もオススメ。

大野寺に来たらぜひ訪ねたいのが「大野寺磨崖大黒天」。大野寺斜め向いにあるこの大黒さまは、大正時代1924年の彫刻とやや新しいが、そのお顔は童顔で愛嬌たっぷり。近代日本美術の大家・岡倉天心とも交友があり、長谷寺に在山していた丸山貫長師(1843~1927年)が下絵を描写し、地元の石工が彫ったと伝わります。

柔らかいお顔で見下ろす弥勒磨崖仏と名作といわれる童顔の大黒さま。緑深い宇陀の地に、出会ってみてはいかがだろうか。

INFORMATION

大野寺
時間
8:00〜17:00 ※冬季は16:00まで
住所
奈良県宇陀市室生大野1680
入場料
拝観料 大人300円、小学生以下無料 ※桜開花時のみ400円
お問い合わせ
0745-92-2220

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