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50年間変わらないやさしい味 和製ハーブの門前スイーツ

室生寺の門前名物、回転焼き

初夏にはたくさんのホタルが舞い、水の美しさでも知られる室生川のほとり。山岳寺院・室生寺(むろうじ)へ続く川沿いの参詣道は、茶屋や料理旅館が立ち並び、ゆったりとした時間が流れる門前町です。その一角に、時折人が立ち止まる商店が。丸い型の上で次々とテンポ良く焼きあがる、「回転焼き」という菓子です。

回転焼きは、小豆餡を小麦粉の生地ではさみ、円盤状の型で焼き上げる和菓子。日本では商店街や祭りの屋台などで売られている、庶民的なおやつです。全国に流通する定番の味ながら名称は統一されておらず、「今川焼き」「大判焼き」など地域によって呼び名が変わることも特徴です。

日本のハーブ「よもぎ」と回転焼きの出会い

室生寺の門前で回転焼きを作るのは、甘味喫茶の<栄吉>です。これを目当てにわざわざ遠方から訪れる人も多いという味の秘訣は、鮮やかなパステルグリーン色の生地に。「よもぎ」という日本のハーブが練りこまれています。

もち米で作るよもぎ餅は和菓子の定番ですが、回転焼きでよもぎ味は意外にレアな組み合わせ!<栄吉>で使用するよもぎは周辺の山で摘んだ天然物。柔らかく瑞々しい春の若葉をすぐに湯がいて瞬時に冷凍するため、いつでもフレッシュな春の味を再現できるのです。

回転焼きを口にすると、生地のもちもちの食感と小豆の甘みで多幸感に包まれ、次によもぎのほろ苦く爽やかな味が追いかけてきて、後味はすっきり。もう、何個でも食べられそうな、全体のバランスが秀逸なんです。

愛情たっぷりにひとつひとつを手作り

この地で旅館からはじまり、閉業後に甘味店をオープンしたという<栄吉>を切り盛りするのは杉本勝子さん。「草もち(よもぎ餅)は他でもやっているから、うちはオリジナルな菓子を」と考えだしたのが、よもぎ入りの回転焼きだったそう。

生地には卵を使用せず、小麦粉とふくらし粉と水のみのシンプル仕様、なのに絶妙なもっちり感。小豆餡はつぶ餡とこし餡を半々の割合で混ぜるという、こだわりの配合。販売をはじめた1965年ごろから今に至るまで、変わらぬ味を守っています。

よもぎ入り回転焼きは通年メニューですが、夏場のかき氷や素麺、冬の甘酒など季節ごとの味わいも楽しみ。どの料理も創業時からほぼ値上げしていないことからも、店の心粋が感じられます。

室生川のせせらぎを聞きながら、杉本さんの温かい笑顔に出会う。これも<栄吉>が長く愛される理由なのでしょう。

INFORMATION

よもぎ入り回転焼き 栄吉
時間
8:00 - 17:00 不定休
住所
奈良県宇陀市室生709-2
入場料
よもぎ入り回転焼き一つ90円
お問い合わせ
0745-93-2024

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