古代から続く聖地
天河大辨財天社
東洋思想の「気(き)」の考えをベースとする、パワースポットは近年日本人に大人気の場所。その地を訪れて精神を集中させると、活力が得られたり、良いサイクルに導いてもらえたり・・・精神世界でのフォーチューンが得られるとされています。
山や川、神社仏閣など日本各地にパワースポットは存在しますが、天川村にある<天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)>は中でも格別です。
日本最初の天皇とされる神武天皇がこの地に祈りをささげ、高野山開山の空海、修験道(しゅげんどう)の祖の役行者(えんのぎょうじゃ)など、日本宗教の要人らとも縁深い。天河大辨財天社を中心とする、天河地域は日本創生のころから「神聖な場所」と考えられていました。


天河大辨財天社の信仰は、自然崇拝やアミニズムがベースとなっています。神が住むとされる巨大な岩・磐座(いわくら)が御神体です。本殿と拝殿の間に鎮座する磐座は木々に覆われ目視することは難しいですが、辺りにはただならぬ気配が漂っています。
水のせせらぎに神を感じた
芸能の女神
「元祖パワースポット」である天河大辨財天社には、現在もその力にあやかりたいと多くの人々が訪れる場所です。特に芸能や芸術に通じる人、俳優、音楽家、芸術家などからの信仰を集めています。お目当ては御本尊の弁財天。8本の手に弓や矢を持つ様々な才に長けた女神で、「芸」に関する神徳が得られるのだそう。
日本の伝統芸能のひとつ「能楽」とも関わりが深く、拝殿のなかに能舞台を持つ珍しい造りも特徴です。ここでは、祭りのときに能が奉納されるほか、クラシックからロックまでの音楽ライブが開催され、幅広いジャンルのアーティストがこの地に惹きつけられたことを語ります。

弁財天は川が流れる水音を神格化した、水の神でもあります。ここに代々伝わる神宝「五十鈴(いすず)」は、鈴の音に「音霊(おとたま)」が宿るとされ、いずれも音を神聖視しています。神宝は公開されていませんが、参拝の際には五十鈴を模して作られた、拝殿の「鈴」に注目を。参拝者を清めるために鳴らす鈴ですが、天河大辨財天社では綱を大きく回す様に揺らして、独特の鈴の音を聞くことができます。
五十鈴は御守として求めることも出来ます。ストラップ型は初穂料2,500円です。


山や川、大地・・・
自然に宿る力を感じに
大峯山脈の水を集める天の川。天川村の坪内地区で蛇行する形が女性の子宮形のようで、天河大辨財天社の本殿はその中心にあります。坪内地区は神のみが住まうと言われ、近代までは天皇のみが滞在を許されていました。
本殿を訪れた後、ぜひ訪れたいのが同じ地区内にある禊殿(みそぎでん)です。高倉山を御神体とする社があり、その名の通り心身を清める「禊ぎ」を行う重要な場所です。
高倉山は日本列島が出来た二億五千年前、最初に隆起した神聖な山とされ、「国之常立神(くにのとこたちのがみ)」が祀られています。天地災害を鎮める大神として、「ガイア(地球)神」とも呼ばれています。

INFORMATION
- 大峯本宮 天河大辨財天社(おおみねほんぐう てんかわだいべんざいてんしゃ)
- 時間
- 境内参拝自由
- 住所
- 奈良県吉野郡天川村坪内107
- お問い合わせ
- 0747-63-0558