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いにしえから現代まで。 悩める女性たちを優しく導く山寺

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室生寺、なぜ女性が惹かれるのか

女性が立ち入れないほど険しい道だから、山の女神に嫉妬されるから・・・日本には、様々な理由から女性の立ち入りを禁じる聖域が存在します。近代まで女人禁制だったことで有名な、日本仏教の聖地・高野山(こうやさん)などがあります。

対して、女性を受け入れてきた聖域も。室町時代(1336年~1573年)から女性参拝の記録が残る<室生寺(むろうじ)>は、高野山に対するものとして「女人高野(にょにんこうや)」と呼ばれています。

現代では女人禁制の地は少なくなってきましたが、女性の信仰を集めてきた室生寺には、今もたくさんの女性が訪れています。参拝者の7割が女性で、リピーターも多いという室生寺。なぜこれほどまでに女性の心をつかむのでしょうか?

写真提供:一般財団法人奈良県ビジターズビューロー

静寂の寺域に鮮やかな薄桃色が浮き立つ、シャクナゲの花は室生寺のお勧めのひとつ。この風景が多くの女性を癒してきたことでしょう。約3,000株が植えられ、4月下旬~5月上旬に見ごろを迎えます。

心をほぐす仏の温かな眼差し

室生寺の創建は諸説ありますが、年次は670年~780年ごろと伝わります。創建の時代に作られた、いにしえの仏像との出会いもここを訪れる楽しみ。1世紀以上の年月に渡り、人々を見守ってきた温かな眼差しは、変わらず見るものを包み込みます。

仏像のほとんどは国宝・重要文化財に指定されていて、歴史的価値だけでなく、仏像美術品としての逸品ばかり。じっと見つめていると、美しさ以上に心を惹きつける何かが働いているようにも感じられます。

「たくさんの女性の祈りをお聞きして、優しい顔になられたのかも」と話すのは室生寺総務の山岡淳雄さん。その言葉にも納得してしまうような、不思議な魅力に惹かれ、仏像を眺めて一日を過ごすお客も多いそうです。

上段は重要文化財の弥勒菩薩立像。1,100年以上前の木造像とは思えないほど、繊細な彫刻がはっきりと残っています。

下段は国宝の釈迦如来像。ふっくらと量感あふれる出で立ち、衣の美しいドレープが特徴です。背面の極彩色の光背(こうはい)も見どころ。

一般に、重要な仏像はガラスケースで保管されるなど管理が徹底される場合も多いのですが、室生寺では出来るだけ自然の形で安置されています。上は金堂の内陣ですが、365日扉が開放され、参拝客は外縁から間近に国宝・重文の仏像を拝観することができます。

瑞々しい自然と調和した寺域を歩く

室生寺は室生山山麓に堂塔が点在する山岳寺院です。深い緑に覆われ清涼な空気が立ち込める境内は、自然の中でリフレッシュできる散歩ルートとしての味わいも。室生川に架かるたいこ橋を渡り、朱塗りの正門、石畳の階段の鎧坂を経て、美しい仏像が待つお堂へ。さらに続く石畳の階段の先に立つのが、室生寺のシンボル「五重塔」です。

五重塔は野外に立つ国宝の同形式の中で日本最小サイズ!高さ16.2mの愛らしい姿は、女人高野を象徴する建造物です。周囲を野趣あふれる大木が囲み、大自然に包まれているような空間が広がります。シャクナゲの春、新緑、紅葉から雪の季節まで。四季により全く違った表情を見せる、五重塔のある風景は、多くの写真愛好家を魅了しています。

たいこ橋から五重塔まではゆっくり歩けば30分程。時間が許せば、その先に続く奥の院へも足を延ばしたい。杉木立の中の階段は深山の気配たっぷり。周辺は天然記念物指定地で、珍しいシダ植物が自生している場所です。30分ほど登った先にある、御影堂を参拝して引き返しましょう。

INFORMATION

女人高野 室生寺(にょにんこうや むろうじ)
時間
拝観時間 4月1日~11月30日 8:30~17:00 / 12月1日~3月31日 9:00~16:00
住所
奈良県宇陀市室生78
入場料
大人 600円 子供 400円
お問い合わせ
0745-93-2003

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