
人との縁がつながってオープンした、今や大人気のコーヒーショップ
近鉄郡山駅から徒歩約10分の場所にある『K COFFEE』は、元ガソリンスタンドだった建物を利用し、電話ボックスの中に金魚が泳ぐ「金魚ボックス」が設置してある、ユニークな自家焙煎コーヒーショップです。
金魚のまち、大和郡山のランドマーク的存在で、営業時間外も県内外から多くの観光客が訪れます。


今や観光名所!話題の“金魚電話ボックス”の誕生秘話
『K COFFE』がオープンしたのは2014年2月。きっかけは、2013年に大和郡山市で開催されていた「はならぁと」というアートを通して地域を盛り上げる芸術祭でした。この期間中に森さんは、現店舗となる元ガソリンスタンドでコーヒーショップを出店。そして同時にアート作品の一つとして設置されていたのが、「金魚電話ボックス」だったのです。
芸術祭終了後はコーヒーショップも電話ボックスも撤去される予定でしたが、この場所を気に入った森さんは「ここを借りたい」と直談判。周辺の人たちは「ここでは無理」と思ったようですが、森さんの「チャレンジしたい」という思いが受け入れられ、『K COFFEE』は正式な店舗として誕生しました。


金魚と人がつながる郡山で、仕事も子育ても頑張る。
オープン当初は、近くの商店街から「みすぼらしいからペンキで塗り直そう」という声もありました。でも「この感じが良かったんです」と断った森さん。「郡山には日本の古き良き建物が残っているけど、ここだけは違った古さがある。そんな街並みが面白くて、このままが良いって思ったんです」。
初めはお客さんも少なく、「こんなに注目されることになるとは思ってもいなかった」と森さん。郡山へ引っ越してきた頃は何の繋がりもありませんでしたが、ある地域の集まりに参加した時に「コーヒーを提供したい!」と話をしたことがきっかけとなり、地域の人、金魚電話ボックス、場所との縁が重なっていきました。この不思議な縁に「今は感謝しかない」と語る森さん。
森ファミリーは、お子さんが生まれるまでは大阪住まいでした。奥さんが出産後に仕事復帰されたタイミングで、奥さんの故郷である大和郡山市で暮らすことに。「うちは奥さんがメインで働き、子育ては僕が積極的にしています」。コーヒーショップを経営しながら子育てをする森さんにとって、「今の働き方が最高の子育て環境」と語ってくれていました。
また『K COFFEE』のあるこの辺りは、「学校から帰ってきた子ども達が神社の裏山で鬼ごっこをしたり、近くの公園で遊んだりと、地域で子ども達を見守りながら育てていける」という環境も、森さんにとっては魅力のようです。これからもたくさんの人が集い、金魚電話ボックスとコーヒーで癒される場所として愛されていくでしょう。


PROFILE
- K COFFEE